付喪の盾の迷走記

少女は目覚め、立ち上がり、足を踏み出そうとして思いっきり転んだ。



近代科学技術の破壊的結晶
――主力戦車

陸戦の王者・主力戦車。陸上自衛隊に配備されていたそれ、74式戦車の一両。それはある日、見知らぬ地で目覚めた。慣れぬ体と、自我を抱いて。彼女を拾ったのは、自らを河童と名乗る一人の少女だった。彼女は、彼女に七四(ななよ)という名を与える。七四の、生まれて初めての「生活」の始まりだった。


「道具」であった彼女の迷走

道具であった彼女は、自らのあり方をぼんやりと考える。辿り着いた結論は、善意に満ちあふれた、しかし、とても危ういものだった。彼女の善意は、ごく小さな異変として幻想郷に現出する。全ては、国民の生命財産のために。彼女が外界にいたとき、彼女を操る者達が彼女に与えたレゾンデートルが、暴力を伴って暴走する。


博麗神社上空の弾幕決闘

異変は巫女を呼び、巫女は彼女に決定的敗北をもたらす。挫折に嗚咽を漏らす彼女に手を差し伸べたのは、またしても彼女だった。本場仕込みの近代科学の単結晶と、幻想と技術の複合体とが、博麗神社上空で相まみえた。壮絶な弾幕戦。そして、その先には……?